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Posted by ミリタリーブログ  at 

2012年03月31日

OCP complete!?

マルチカム装備を揃え始めて、そろそろ形になったところです。ラッキーだったのは新品官給品セットを入手できたこと。
ハイドレ2個とかエルボーwとか実際使わない不要なものも入っていたりしましたが、ヤフオクでこの中のものを3、4個ピックアップすればこのセットの購入額になってしまうほどでした。ハイドレーションはSPCSとIOTVで1個ずつ使えばいいんですね。
うれしいのはNAPE PADや官給IR付きヘルメットカバーなども含まれていて、個別に探す手間が省けました。
ところで、よく「マルチカム」と「OCP」という呼び名で争論があったりしますが、wikiを見てみると「2010年になってアメリカ陸軍(Operation Enduring Freedom Camouflage Pattern(OCP)としてアフガニスタン向けに採用)に色彩を改良したもの」とあるので、民生のマルチカムと官給のOCPでは厳密には違うのでしょうね。
実際、どうも官給のマルチカムを見ていると色味が鈍いというか汚いwというか、違和感があったので、この記述を見て納得しました。まぁ、どんなものでも官給か否かで、個人的価値は変わってくれるので、マルチはマルチどっちでもいいんですけどね。








IOTV GENERATIONⅡ
ちょっとここで、GENⅠとGENⅡの違いが気になったのでIOTVのGENⅡを少し調べてみました。少し前の英文ソースによるもので、解釈を間違えてたらすみません。
それによると、ポイントブランク社と陸軍は現地からのフィードバックをもとにIOTV改良プログラムを行い、2009年に新型IOTVを完成させました。この新しいIOTVがGENERATIONⅡと呼ばれるものです。
最近よく目にするKDH Defense Systems社は、現在、陸軍のIOTV GENⅡとSPCS、海兵隊のIMTVなどを生産しているそうです。2010年には150,000着のIOTVの契約があり、POINT BLANK社も同様に150,000着の契約があるとか。ほかにもBAE Systems Security と Survivability Systemsが75,000着ほど生産しているそうです。

ともあれ、陸軍にマルチカムがOCPとして採用されてから、IOTVにもマルチカムが取り入れられました。GENⅠのマルチIOTVは存在するかはわかりません。GENⅠとGENⅡでは基本的な構造に変更はありまえんが、細かいマイナーチェンジが行われています。
気がつかないような小さい変更点はもっとたくさんあるとは思いますが、主な違いを見ていきましょう。当然ですが、ACUのIOTVにもGENⅡはあり多数配備されています。

COMMER BAND

GEN Ⅰを使い慣れたユーザーがもっとも違和感を感じるのがカマーバンドだと思います。内部にはプラスチックのプレートが入っていて、形状の保持がしっかりされる反面、柔軟性がなく扱いにくくなりました。内側にはサイドSAPIポケットを取り付けるMOLLEがあります。ここも当然マルチカムのウェビングが施されています。GENⅠではカマーバンドにサイドSAPIポケットが縫い付けられています。陸軍は、ガチムチの海兵隊員とは異なり、様々な人が在籍しています。それこそ小柄な女性にも対応できるようサイドSAPIの位置調整を縦横フレキシブルにしたそうです。

INSIDE

IOTV GENⅠでは、通気性を良くするためフロントとバックキャリアの内側がメッシュになっていました。しかし、GENⅡではコーデュラナイロンの生地になりました。理由はこのメッシュがユニフォーム(またはユニフォームの下?)にダメージを与えるというものらしいです。解説の意味がよく読み取れませんでしたが、とにかくメッシュのザラザラが攻撃的だという理由だそうです。もしからしたらクイックリリース時にメッシュに何かが引っかかる危険があるとかかな?と推測もできます。


YOKE&COLLAR


分かりにくいですが、上がGENⅡ、下がGENⅠです。フロントヨークのサイドの回り込みが若干大きくなっているようです。

D-RINGS & QUICK RELEASE

左右の肩に付属しているDリングはGENⅡの特徴とも言えるパーツです。このDリングは、TAP(Tactical Assault panel)を取り付けるためのリングでGENⅠにはありません。どうやら装備品の重さでベルクロがはがれてしまうトラブルがあるようで、TAPはそれを防止する意味もあるとか。それにSPCSとの装備品の共通化にも大いに役立ちます。クイックリリースもGENⅠから見直しが図られ、より確実なリリースが可能となったようです。細かいところでは、階級章を貼るベルクロも長方形から正方形になりました。

PALS

胸のMOLLEテープがサイズによって2ラインに変更されました。このIOTVのサイズはX-Small。胸のテープが2段だけになっているのが分かると思います。GENⅡでは、XSとSが2ライン、Mからが3ラインとなります。GENⅠでは同じXSでも3列あります。IOTVのXSは、標準体型なら普通に着られます。反対に小柄な人がMやLなどを着ると腕の動きが規制されてしまうかもしれません。


OCPが採用されているのはGENⅡのみ(?)なので、当然MOLLEにもマルチカムがプリントされています。パターンはSPCSとも同じなので、KDHでは同じテープを用いているようです。このMOLLEテープには民生品のように「MULTICAM」なんてプリントはありません。




このように、マイナーチェンジが施されたIOTV GENⅡ。こういった変更点を取り上げてみると、サバゲで着ているだけでは見えてこない現場の兵士たちの苦悩や軍隊の取り組み方が垣間みれるのが興味深いですね。

それでは、ノシ









  


Posted by Saga  at 19:57Comments(0)U.S. ARMY

2012年03月09日

SPCS OCP





SPCSは、現在アフガニスタンに従軍している陸軍兵士に支給されているボディアーマーのひとつです。フルカバータイプのIOTVに対して、機動性を重視したプレートキャリアです。SPCSは、「SPCS=Soldier Plate Carrier System」の意味で、海兵隊が採用しているEAGLE社の「SPC=SCALABLE PLATE CARRIER」とは同一コンセプトではありますが、別のものです。

SPCSは、山岳地帯で活動する兵士の負担を減らすため、動きやすさと軽さを重視したデザインで、任務によってIOTVと使い分けられています。部隊内でもそれぞれ同時に使われているシーンもよく見かけます。SPCSはアフガニスタンの従軍兵士に向けて60,000着以上がデリバリーされているようです。
さらにマルチカムがOEFの暫定採用となっていますので、IOTVやSPCSにもOCPとしてマルチカムが採用されています。
このSPCSは、複数のメーカーのトライアルによってKDH社のMAGNUM TAC1が選ばれました。理由は軽さ、使いやすさ、防御面などのハードウェアの優秀さに加えて、要求通りの供給力があったためとされています。

SPCSの優位性は、首周りのプロテクターやカマーバンドがなく、身体の動きを制限するものが少ないことです。その分、防御面積はIOTVには劣るものの、IOTVと同様のハードプレートとケブラー製ソフトアーマーで構成されているため、防弾能力はレベルIIIと違いはありません。ほかのプレートキャリアに比較して、MAGNUM TAC1がユニークなところは、フローティング式のサイドアーマーにあります。前後からストラップのみで連結されたサイドアーマーは、自由度が高く兵士の動きを妨げないようになっています。

それでは、SPCSの詳細を見てみましょう。

FRONT VIEW

フロントは全面にウェビングが配置され、IOTVと異なりカマーバンドのフリップアップがありません。MOLLEトップにベルクロがありますが、これがないタイプもあります。サイズはMです。


REAR VIEW

バックにはドラッグハンドルが備わっており、7列のMOLLEテープが配置されています。

SIDE VIEW

フローティング式のサイドアーマーはMAGNUM TAC1の特徴のひとつ。2本ずつのストラップで前後が連結され、前側のファステックスで脱着を行います。サイドアーマーの縦方向の位置決めと、連結を解除した場合にアーマーが落下しないよう、バックキャリアとストラップで連結されています。








SPCSの内側にはフロントとバックキャリア下部に、それぞれIOTVのグローインアーマーとロアバックキャリアが接続できる小さなMOLLEが備わっています。

BALLISTIC
SPCSにはすべてのキャリアにレベルIIIAのケブラー製ソフトアーマーが挿入されています。フロントおよびバックキャリアのソフトアーマーは、プレートキャリア全面を覆っていて、IOTVと比べても首周りを除けば十分な防御面積となっています。サイドアーマーはSPCSのサイズXS〜XLまで共通で1サイズのみの設定です。ポケットには、7×8インチのESBIソフトアーマーおよびサイドSAPIが入れられます。


サイドアーマーは、カマーバンドが省略されたデザインで、サイドSAPIポケットしかありません。ここにESBI、サイドSAPIを入れます。


プレートキャリア内部をのぞくとソフトアーマーが入れてあります。





DETAIL
SPCSを詳細に見ていくと、とても優れたプロテクターであることが分かります。多機能で複雑化しているボディアーマーがあるなか、シンプルで扱いやすいという方向へシフトしており、それが軽量化へとつながっているものと思われます。クイックリリースはIOTV同様、胸元のハンドルを引くとワイヤーに連結されたパーツの結束が解除され前後のプレートキャリアがバラバラになります。この結束も非常にイージーになっています。


MOLLEテープは、IOTV同様にマルチカムのパターンがプリントされたものが使用されています。よく見ると40〜50cmくらいの一定間隔でパターンが繰り返していることがわかります。


バックキャリアの内側にはSAPI固定用ストラップとサイドアーマーのサイズ調整用のバックル(矢印)があります。


クイックリリースは、IOTVと同じ位置にハンドルがあります。これを引っ張ると、ショルダーストラップを留めているワイヤーが抜ける仕組みです。


ショルダーストラップのサイズ長さは、バックキャリアの肩の部分に隠れているバックルで調整可能です。


サイドアーマーは、サイドSAPIが入るだけの大きさです。これをストラップでつないぐ構造となっています。上にあるストラップは、重量のあるサイドアーマーの落下防止のものであると同時にサイドアーマーの縦方向の位置決めも担っている重要なものです。このストラップを任意のMOLLEに挿し込んで調節します。


調整幅はかなり広く、目一杯延長するとここまで伸びます。


サイドアーマーが前後のテンションから解放され、バーチカルストラップで吊るされた状態。SAPIの重量もあるのであまりルーズだと、SAPIが暴れて逆に動きにくくなりそうです。


右の兵士のSPCSはサイドアーマーがバックキャリアと離れていて、大きな隙間ができています。防御面でも不安が残りますし、個人的な感想ですが見た目もよくないですね。


TAPとの連結
IOTVのGENIIとSPCSは、TAP(TACTICAL ASSAULT PANEL)とのジョイントを念頭に置いたデザインがされています。TAPはこれだけでベーシックロードである6個のマガジン(+1)を運用でき、必要な装備をすべて取り付けることもできる拡張パネルです。
TAPはSPCSやIOTVの両肩のリングと両脇をファステックスで固定するだけで連結でき、装備品のキャパシティを大幅に向上させます。チェストリグとして単体運用も可能ですが、これらのアーマーと連結することでその真価を発揮します。IOTVとSPCSを使い分ける場合、TAPに装備品を取り付けていれば、TAPのみの交換で瞬時に任務に必要とされる装備一式を移動させることができます。
TAPには初期型を含めたIOTVに接続するためのジョイントパーツも含まれており、あらゆるボディアーマー、プレートキャリアに取り付けることが可能です。


TAP×3(笑


TAPとの連結にはショルダーのDリングを使用します。IOTV GENIIにも同様のリングが備わっていますが、やや使用方法が異なるようです。


SPCSでは、TAPのストラップをDリングに通して、ストッパーを展開するだけで、煩わしい固定作業をしなくても落下することはありません。脱着が非常に手軽な仕組みです。このDリングを使用せず、MOLLEで折り返して取り付けている兵士もいるようです。おそらく、ショルダーのリングで固定するとクイックリリースのワイヤーを抜いても、連結が残ってしまうからかも知れません。


サイド側はファステックスのメスをMOLLEに取り付けて使用します。肩と脇の4点留めです。


ファステックスはTAPに付属するオプションパーツです。ファステックスの切れ込みにMOLLEを通して取り付けます。


SPCSにTAPをセットした状態です。大幅なキャパシティの向上がありますが、軽快さを若干削いでしまうかもしれません。ポーチの直付けも多々見受けられますので、いろいろ装備を変えていこうと思います。


SPCSとTAPの連結方法は兵士個人個人によってバリエーションも豊富。これが正解っていうやり方はなさそうです。SPCSやIOTVはかんたんにTAPと連結できますが、ワイヤーリリース時を考慮してか、IOTV用のアタッチメントを使って取り付けている兵士も結構見受けられます。あるいはショルダーのDリングを使用せず、胸のMOLLEで折り返して取り付けたりと、見本はあってもルールはないのでお好みの方法でいいと思います。



おなじみの広報フォト。SPCS+TAPでもっともベーシックな取り付け方です。さまに教科書通りです。



2人ともSPCSを装備しています。左の兵士はポーチを直付けしていますね。TAPを使用するよりスマートでかっこいいかも知れません。SPCSの軽快さを発揮できる装備だと思います。


どちらの兵士もIOTV用アタッチメントを使用しています。左の兵士は、TAP用ファステックスが取り付けてありますが、実はTAPではなくトリプルマグポーチを使用しています。胸にポーチを取り付けているため、TAPのストラップが邪魔だったのでしょうか? 右の兵士はIOTV用の取付けオプションをSPCSのショルダーに付けてTAPを使用しています。結構多いパターンです。


これらがMOLLEIIの官給キットです。割と入手しやすいので、よく吟味して組んでいこうと思います。

SPCSやIOTVは帰国後、国に返納するという話です。OEF限定となるか、今後のスタンダードとなるか、それともまったく新しい装備に更新されてしまうのか、マルチカム装備の行方も興味深いところですね。

では、ノシ









  


Posted by Saga  at 01:07Comments(13)U.S. ARMY