2013年12月26日
PROTECTIVE OVER GARMENT
どうもです。
いまではすっかりおなじみのアイテムになった、通称"おむつ"と言われているPOG(PROTECTIVE OVER GARMENT)。別段めずらしいものではありませんが、米陸軍発注モデルではメジャーなHAWK PROTECTIONタイプとCRYE PRECISIONタイプの2種類が手に入ったので、比較というか紹介してみましょう。






※クリックでpdfへリンク(7.7MB)
そもそもPOGとは、鼠径(そけい)部 (股の付け根)を保護するPelvic Protection Systems (PPS)を構成する外側部分のこと。2011年6月ころからアフガニスタンの兵士に支給が開始されているという。
PPSを直訳すると「Pelvic=骨盤」「Protection=保護」「System=装置」。従来のOTVやIOTVのグローインプロテクターに変わって全方位的に鼠径部をガードする目的で作られている。
PPSは、3つのパートで構成されている。1つが股間を保護するスポーツプロテクターメーカーのShock Doctorが製造するファウルカップのようなハードプロテクター。その上にアンダーウェアのTier1(Tierは"階層"の意味)をはく。ここまでがProtective Under Garment (PUG=衣類の下に着るプロテクターの意味) で名称はTier1。次にトラウザーを履いて、その上にTier2を装着する形だ。これでPPSは完成となる。
Tier1は、アンダーウェアのように肌の上に直接はくそうで、メーカーや仕様によって様々な種類がある。股間部には、男女別に用意されたShock Doctorのハードプロテクターを装着する。これは、いわゆる「ダイジナトコロ」をIEDのダメージから守り、それにともなうゴミ、不衛生物質などから保護して感染症を防ぐ。Tier1は、動きやすいスポーツ用品のスパッツのような形状で通気性が良い素材で作られていて、腿の部分は大動脈を保護するため丈夫なケブラーメッシュで覆われている。
Tier2(POG=衣類の上に着るプロテクターの意味)はトラウザーの上から装着する。軍では、この3つを同時に装着することを推奨している。Tier2は、レベルIII-Aのソフトアーマーが内蔵されているため、やや装着感は悪く、肌へのスレを軽減するためにもTier1との併用が有効とされているようだ。
Protective Under Garment (PUG)

HAWKのPUG。大腿部にレベルIII-Aのソフトアーマーパネルを挿入できる。
HAWK PROTECTION
もともとは英軍で使用されていたMTPカラーのPOGが注目を集めていたが、OCPで登場した米陸軍仕様のPOGが現在主流である。下の写真はHAWK PROTECTION社デザインのものだが、実際の製造メーカーは様々である。HAWKのPOGは、シンプルな1ピース構成で、ACUトラウザーなどのベルトにPOGのループを通して装着する。展開時は後ろから股下を通して前部でベルクロのループをベルトに取り付け、サイドのファステックスを連結して固定する方式。使用しない場合は、腰の位置でまとめあげておく。

HAWKのPOGは、分割できない1ピース構造で、連結用のサイドのファステックスとトラウザーのベルトに通すループ、まとめるときのゴムバンドで構成されている。

タグは米陸軍ではおなじみのもの。HAWKモデルであはるが、製造は別のメーカー。

未使用時はこのようにまとめあげ、腰にぶら下げておく。
実際の装着方法は、慣れないと結構複雑。
CRYE PRECISION
マルチカムの生みの親CRYE PRECISION社製のPOG。やはりオリジナルメーカーだけあって、マルチカムへの主張が見られる。CRYEのPOGはフロント部とバック部がちょうど股下にあるファステックスで分割できる2ピース構造。前後は分割してそのままぶら下げておくこともできるし、フロント部には取り付け用のストラップが付いているのでOTVやIOTV、SPCSなどにグローインプロテクターとしても使用可能。通常はトラウザーのベルトにフックを通して取り付け、股下でファステックスを連結して装着する。またフロント部だけ、バック部だけという使い方もできるが、その場合はフロント部ポケットに収納されている追加ストラップを使用することになりやや面倒である。

左が前部、中央の股下の部分は後部側につながっており折り畳むことができる。

あえてのCRYEのブランドタグがある。

前部だけを装着する場合に使用するストラップがポケットに入っている。

陸軍官給品にはめずらしく、"MULTICAM"のロゴ入りのテープが使われている。

CRYEのタグ。

前後を分割した状態。それぞれ単独での使用も可能。

未使用時には、HAWKのように1つにまとめるのではなく、このように分割した状態でそれぞれぶら下げてリラックスする。
取付け方によって数パターンの装着方法を覚えなければならないのでやや難度が高いCRYEのPOG。
前回のハートロックでは米陸軍、海兵隊ともにマストなアイテムにもなってましたね。見た目にもユニークな装備ですがIEDの脅威は相変わらずのようです。
久しぶりになってしまいましたが、ではまたノシ
いまではすっかりおなじみのアイテムになった、通称"おむつ"と言われているPOG(PROTECTIVE OVER GARMENT)。別段めずらしいものではありませんが、米陸軍発注モデルではメジャーなHAWK PROTECTIONタイプとCRYE PRECISIONタイプの2種類が手に入ったので、比較というか紹介してみましょう。





※クリックでpdfへリンク(7.7MB)
そもそもPOGとは、鼠径(そけい)部 (股の付け根)を保護するPelvic Protection Systems (PPS)を構成する外側部分のこと。2011年6月ころからアフガニスタンの兵士に支給が開始されているという。
PPSを直訳すると「Pelvic=骨盤」「Protection=保護」「System=装置」。従来のOTVやIOTVのグローインプロテクターに変わって全方位的に鼠径部をガードする目的で作られている。
PPSは、3つのパートで構成されている。1つが股間を保護するスポーツプロテクターメーカーのShock Doctorが製造するファウルカップのようなハードプロテクター。その上にアンダーウェアのTier1(Tierは"階層"の意味)をはく。ここまでがProtective Under Garment (PUG=衣類の下に着るプロテクターの意味) で名称はTier1。次にトラウザーを履いて、その上にTier2を装着する形だ。これでPPSは完成となる。
Tier1は、アンダーウェアのように肌の上に直接はくそうで、メーカーや仕様によって様々な種類がある。股間部には、男女別に用意されたShock Doctorのハードプロテクターを装着する。これは、いわゆる「ダイジナトコロ」をIEDのダメージから守り、それにともなうゴミ、不衛生物質などから保護して感染症を防ぐ。Tier1は、動きやすいスポーツ用品のスパッツのような形状で通気性が良い素材で作られていて、腿の部分は大動脈を保護するため丈夫なケブラーメッシュで覆われている。
Tier2(POG=衣類の上に着るプロテクターの意味)はトラウザーの上から装着する。軍では、この3つを同時に装着することを推奨している。Tier2は、レベルIII-Aのソフトアーマーが内蔵されているため、やや装着感は悪く、肌へのスレを軽減するためにもTier1との併用が有効とされているようだ。
Protective Under Garment (PUG)

HAWKのPUG。大腿部にレベルIII-Aのソフトアーマーパネルを挿入できる。
HAWK PROTECTION
もともとは英軍で使用されていたMTPカラーのPOGが注目を集めていたが、OCPで登場した米陸軍仕様のPOGが現在主流である。下の写真はHAWK PROTECTION社デザインのものだが、実際の製造メーカーは様々である。HAWKのPOGは、シンプルな1ピース構成で、ACUトラウザーなどのベルトにPOGのループを通して装着する。展開時は後ろから股下を通して前部でベルクロのループをベルトに取り付け、サイドのファステックスを連結して固定する方式。使用しない場合は、腰の位置でまとめあげておく。
HAWKのPOGは、分割できない1ピース構造で、連結用のサイドのファステックスとトラウザーのベルトに通すループ、まとめるときのゴムバンドで構成されている。
タグは米陸軍ではおなじみのもの。HAWKモデルであはるが、製造は別のメーカー。
未使用時はこのようにまとめあげ、腰にぶら下げておく。
実際の装着方法は、慣れないと結構複雑。
CRYE PRECISION
マルチカムの生みの親CRYE PRECISION社製のPOG。やはりオリジナルメーカーだけあって、マルチカムへの主張が見られる。CRYEのPOGはフロント部とバック部がちょうど股下にあるファステックスで分割できる2ピース構造。前後は分割してそのままぶら下げておくこともできるし、フロント部には取り付け用のストラップが付いているのでOTVやIOTV、SPCSなどにグローインプロテクターとしても使用可能。通常はトラウザーのベルトにフックを通して取り付け、股下でファステックスを連結して装着する。またフロント部だけ、バック部だけという使い方もできるが、その場合はフロント部ポケットに収納されている追加ストラップを使用することになりやや面倒である。
左が前部、中央の股下の部分は後部側につながっており折り畳むことができる。
あえてのCRYEのブランドタグがある。
前部だけを装着する場合に使用するストラップがポケットに入っている。
陸軍官給品にはめずらしく、"MULTICAM"のロゴ入りのテープが使われている。
CRYEのタグ。
前後を分割した状態。それぞれ単独での使用も可能。
未使用時には、HAWKのように1つにまとめるのではなく、このように分割した状態でそれぞれぶら下げてリラックスする。
取付け方によって数パターンの装着方法を覚えなければならないのでやや難度が高いCRYEのPOG。
前回のハートロックでは米陸軍、海兵隊ともにマストなアイテムにもなってましたね。見た目にもユニークな装備ですがIEDの脅威は相変わらずのようです。
久しぶりになってしまいましたが、ではまたノシ